第3章「花言葉」・・・

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草花で覆い尽くされたその場所を俺は両手足で掻き分けながら奥へ奥へと進んでいく。 そして、その中で一際(あや)しく、それでいて己れを主張しながら咲き誇る紫色の花に目を奪われる。 『ネメシア?』 ふと教授の言葉を思い出した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「樹くんは【花言葉】を知ってるかい?」 『【花言葉】ですか?』 「花には名前の他に固有の【花言葉】というものが存在するんだ。 例えば、この赤い薔薇の【花言葉】は´愛情´や´情熱´を意味している。代わって、この白い薔薇の【花言葉】は´純潔´や´尊敬´っていったように同じ薔薇でも色によって、その【花言葉】が違うんだよ。 もし…この【花言葉】通りの力が得られたとしたら…樹くん、君はどう思う?」 『【花言葉】通りの力…ですか?』 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 橘教授の言っていた事がもし本当なのであれば、あの娘たちに投与された薬は・・・。
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