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スイートシュガーホーム
幼稚園のお昼の時間が終わり、親の迎えで友達が幼稚園から帰っていく。
僕とねこくんは親が来るのが遅いので、いつもふたりで隅っこで遊んでいる。
「神器てんかいー! じんきゅうー!」
「だっしゅして、神器! かみのは!」
僕が神弓のおもちゃでねこくんに矢を飛ばすけれど、回避されて押し倒されてしまう。
「うわぁぁ!」
「……甘い匂いする」
「ふえ?」
部屋の四隅、先生の目も届かないような場所で、僕のことを押し倒すねこくんがそこにいた。僕はきょとんとした表情で首を傾げ「天使ごっこおしまい?」とねこくんに聞いた。
「うにゃ……おしまいにしてもいいの?」
「またなんだよね、多分。いいよ……好きにして?」
僕はスモックをぼふぼふと仰ぐと、甘いフェロモンが溢れ出す。ふわもこのスモックの下で、既に甘いフェロモンがたっぷり溜まっていたのかな、それとも今染み出したのかな。深く考えなくても僕の体は既にピンク色に染まっていて、ねこくんに見つめられているだけでじんわりとしか快感が血流を渡って全身を襲う。
すてんと床に寝そべった僕をねこくんはまじまじと見つめ、クンクンと匂いを嗅ぐ。
「うさぎくん甘い……甘いよぉ……♥」
「ねこくん、あまいのすき……?」
「しゅき……♥」
ねこくんの意識も蕩けた様子で、瞳にハートを宿しながら僕の眼球をぺろりと舐めた、まあるい宝石を幼児のベロでふきふき、ゾクゾクする感覚と背徳感に体がどんどんふにゃふにゃに、蕩けていく。
「ぺろ……うさぎくんのおめめ、おいしいよ」
「僕の瞳は何味……?」
「えっと……はちみつあじ……♥」
「あまあまだったんだぁ……♥」
「あまかった、よ」
ねこくんはふんふんと僕の顔に鼻息を当てながら、ゆっくりと唇同士のファーストキス、それからちゅぷんとディープキス。「んくっ……んっ♥」と声を荒げながら、贅沢に口内を犯していく。僕のお口は何味なんだろう、瞳と一緒の蜂蜜味かな……呼吸が速くなると周囲の空気もたっぷり吸っちゃって、自分自身が溢れ出した甘いフェロモンに酔ってくる。もしかしたらねこくんのフェロモンかも。いやらしいアルファの雄のしょっぱいフェロモン。雄臭い、ねこくん雄臭くてくんと癖があって、惹きつけられて我慢できなくなっちゃう男の子の匂いたっぷりあふれ出しちゃって。僕はもう知らない、キスも気持ちいいけど僕は君の味をもっと知りたくなってきちゃった。
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