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気づき
店を出た時にはもう、俊太は悟っていた。すべてわかっていた。なんてむなしいことをしてきたんやろ、と思った。快感は、確かに得れる。俺の肉は確実に喜んどぅ。やけど、、心はちゃう。冷え切っとる。鋭い切れ味をもって、冷え切っとる、そう実感した。そして俊太は、たしかにこの感覚を知っていた。メフィストにかなえてもらったことは、いまさっきしてきたことと、何も変わらないことを、知っていた。
「メフィスト、頼みがある。」
晴れ晴れとした面持ちで、俊太はメフィストを呼んだ。
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