3人が本棚に入れています
本棚に追加
2時間後。きっかりに、シュンスケとジョージは落ちあった。
ジョージは少しテンションが上がっているようだった。
「よう。ジョージ。彼女とのプロレスは楽しかったかい」
自分自身を傷つけることを自覚しながら、あえて、自分から話題を振った。
下卑た言葉遣いは、シュンスケなりの微かな抵抗だった。
ジョージは、そんなシュンスケの内心の葛藤には、全く気づいていないようだった。
「おいおい、野暮なことは言うなよ。
俺と彼女は、むしろ、その前のフェンシングを楽しむ派なんだから」
「言ってろ」
「そういうお前はどうなんだよ。
いいぜ。女ってのは、生きていこうって気になる。
子供を作るときには、遺伝子が高揚するよ」
「そうかよ」
淡々と、シュンスケはジョージの言葉を受け流す。
「今回の食料調達だって、彼女と子供のためと思えばだ」
シュンスケは耳をふさぎたいと思ったが、不可能だった。
最初のコメントを投稿しよう!