廃屋にて

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2時間後。きっかりに、シュンスケとジョージは落ちあった。 ジョージは少しテンションが上がっているようだった。 「よう。ジョージ。彼女とのプロレスは楽しかったかい」 自分自身を傷つけることを自覚しながら、あえて、自分から話題を振った。 下卑た言葉遣いは、シュンスケなりの微かな抵抗だった。 ジョージは、そんなシュンスケの内心の葛藤には、全く気づいていないようだった。 「おいおい、野暮なことは言うなよ。  俺と彼女は、むしろ、その前のフェンシングを楽しむ派なんだから」 「言ってろ」 「そういうお前はどうなんだよ。  いいぜ。女ってのは、生きていこうって気になる。  子供を作るときには、遺伝子が高揚するよ」 「そうかよ」 淡々と、シュンスケはジョージの言葉を受け流す。 「今回の食料調達だって、彼女と子供のためと思えばだ」 シュンスケは耳をふさぎたいと思ったが、不可能だった。
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