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異変後の世界
「用意はいいか? 」
「待って、深呼吸…… 」
俺(木村拓斗)32才と妻の忍28才。
小学一年生の息子の大成
幼稚園に入ったばかりの娘の結女
これが、俺の大切な家族だ。
玄関のドアノブに手をかけた俺に妻が待ったをかける。緊張するのもわかる。毎朝、違う景色。都会のど真ん中に家があった時もある。静まりかえるビル群。それは、巨大な墓石が立つ墓場のような、もの寂しい光景だった。
所が子供たちは元気に、いつもは注意してわたる横断歩道に寝そべったり、道路の真ん中を追い駆けっこをして遊んでいた。車が一台もこないシーンと静まり返った世界。子供たちの足音だけが響いていた。
異変後、子供たちの順能力は凄まじい事を実感した。息子も娘も次の地を楽しみにし始めている。アニメの世界を地で行ってる感じなのだろうか。
大人の俺には、これが現実なのか?と誰かに問われても今だハッキリとした答えを持っていない。しかし、生きている事は確かなはず。だが、生きていると思ってるのは、自分達だけなのかも知れないとも思う。
できる事なら、あの電車の中で眠ったままの変な夢を見たで済ませたい気持ちもある。
今日こそ、外が日本だろうと海外だろうと、地球上なら買い物へ出ようと妻との話し合いで決めていた。クレジットカードは使えるだろうか……
そもそも、食料品の流通はあるのかだろうか……
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