69人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
プロローグ
世界が大変な事になっている。
20XX年
緊急事態宣言、外出自粛要請。
外へ出るのには勇気がいる。
何故なら……
ドアを開けるまで、外の状況がわからないからだ。
地球に異変が起こって、早二週間。
いまだ安定していない状態だ。
でーー
ドアを開けるとそこは。
南の島だったり山の中だったり、月面だったり……
恐竜が襲って来たり、海中だったり空に浮かんでいたり……
外に出るには危険がいっぱいなのだ。
家が動いているのか、外の景色が変わっているのか、さっぱりわからない。窓はすべてシャッターを下ろしている。(外が南の島だった時、外から覗かれたのだ )
家は壊れていないし、電気ガス、水道は使える。だから、食料さえあれば生活はできるのだが、何故か電話は使えなかった。
……テレビは映らない。
テレビ局が休業中なのだろう。ラジオもしかり。だから、困った事に情報が何も得られないのだ。
地球に異変が起こる前のこの国の政府の発表では、
「どんな事態が起こるか予測もつかない。自分達の身は自分達で守るように 」
国民を突き放したような発言に、罵声や怒号が飛び交った。取り乱した輩が派手な行為に及ぶも失敗に終わったようだ。
時間は刻一刻と過ぎて行った。
そう、起こってしまえば、確かに誰も助けてはくれなかった。人は皆、自分達が生き延びる事に必死だった。国の代表と言えど人間である。(例え特別な場所に逃げ込んでいようとも) 結局、同じ人間で、神ではないのだ。家族が一致団結して乗り越えていく以外にない。地球に起こった異変に被害者意識では生き延びられないだろうことを痛感した。
しかしそろそろ、あらゆる手段を高じて手にいれた備蓄食料も、底をついてきている。
今日辺り、仕入れに行きたいのだが、この扉を開けた先に…… スーパーはあるのだろうか……
最初のコメントを投稿しよう!