あの剣を抜いた

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あの剣を抜いた

 朝起きて家を出ると、近所の公園に岩に刺さった剣があった。 「これ、あの剣じゃね?」  もしかしたら商標登録してあるかもしれないので配慮して名前を出さないようにつぶやいた俺は早速その剣を抜いてみることにした。  抜けた。  なんかもうあっさりと抜けた。  残念なことに王様にはならなかった。  さてどうしたものかと考えていると、突然モンスターの大群に囲まれた。  俺は戦った。  次々現れる雑魚モンスターを片っ端から切り捨てていった。  やがてレベルが上った。  能力値も上昇したらしい。  あとスキルポイントも入ったので、スキルを習得した。  かなり強くなったらしいので、ちょっと遠出してみることにした。  そこかしこで現れるモンスターを退治して、クエストをいくつもこなして、レベルも最大まで上がった。  そしてとうとう魔王の住まう城にたどり着いた。  その名も魔王城。そのままだった。  俺は魔王城を守る四天王と五人囃子と三人官女を倒し、ついに魔王の前に立つ。  魔王は言った。 「我に従うなら、この世界の12.4%をお前にやろう」  ちょっと少なくないかと抗議した。 「だが他の手下の分もあるので、これで精一杯なのだ……」  俺は魔王を一刀両断して世界に平和が戻った。
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