物置の中に

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物置の中に

 その日、不思議な夢を見て目を覚ました。  物置の前で誰かが呼ぶ夢だ。  正直意味がわからなかったが、気にはなったので物置の前まで来た。  物置はいつもどおりの佇まいでそこにあった。  扉を開けてみると、その中は巨大な格納庫になっていた。  ちょっとサイズ感があってない。  格納庫の中には巨大な金属の塊が置かれていた。  その表面にはパイプが張り巡らされ、いくつものノズルが並び、砲塔らしきものもついている。  しばらく考えてこれが宇宙船、いや宇宙戦闘艇だと気がついた。  その時宇宙戦闘艇の昇降タラップが音を立てて開く。  そこには身長1メートルほどの小さなロボットが立っていた。 「夢で俺を呼んだのは、お前か?」  ロボットはチープな電子音で何某かの返事をした。  その意味は普通ならわかるはずもなかったが、なぜかその時の俺にははっきりと肯定したことが伝わってきた。  俺は宇宙戦闘艇に乗り込み操縦席につくとエンジンを始動した。  宇宙戦闘艇の名前はファルコン号。  商標的にちょっとギリギリだなと思いつつスロットルレバーに手をかける。  ロボットが遠隔操作で格納庫の扉を開けると、俺はエンジン全開でファルコン号を発信させた。  長い眠りからファルコン号が目覚めたことを察知した帝国軍の戦闘機部隊がすぐに飛来した。  だがこんな雑魚はファルコン号の敵ではない。  あっという間に蹴散らすと、その母艦である商標的には問題ないネーミングの宇宙戦艦デストロイヤーに肉薄し、慌てて閉じつつある格納庫ハッチにありったけのミサイルをぶち込んだ。  背後で爆発四散するデストロイヤーに、俺は高笑い。  だがその直後、デストロイヤー2号と3号と4号と……多分全部で120号ぐらい?が飛来した。  だが俺はそれを見てニヤリと笑う。  ちょうど退屈していたところだ。相手にとって不足なし!  ロボットも乗り気だ。  俺はスロットル全開で敵の大艦隊へと突っ込んだ。  俺たちの戦いはこれからだ!
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