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悪霊
ある放課後
楓「琴音?」
第1音楽室に琴音はいなかった。
楓(ピアノでも弾いて待ってよ…)
どこかにいってるのかと思い琴音が来るまでピアノを弾いて待つことにした。
しばらくピアノを弾いていると指に痛みを感じた。
楓「なっ なんだ?」
体のコントロールがきかない。演奏が止められない。ピアノから離れられない。
ピアノの鍵盤をめちゃくちゃに叩くようになった。もう不協和音しか聞こえない。苦しい。怖い。痛い。ピアノでこんなことをしたら琴音は悲しむだろうな。
なにか見えた。血まみれの制服姿の女性の幽霊だ。髪が長く、手からは血が流れている。目は赤い。琴音とそっくりだ。目の色、髪は寝る前の琴音と同じ。
幽霊は無言でピアノのそばに浮いている。
楓(え?)
突然、ピアノの蓋がおもいっきり閉まった。
バーーン!!!
第1音楽室に不協和音が響いた。
痛い。骨がおれたかもしれない。なのに指はまだめちゃくちゃに鍵盤を叩き続ける。
再びピアノの蓋が閉まる。まだ指は鍵盤を叩き続ける。痛すぎる。
楓(もうダメ…)
3回目の蓋が閉まる直前気絶してしまった。
楓「琴‥音…」
倒れる直前、なぜか琴音の名前を言った。
琴「はっ!」
琴音は目が覚めたようにその場に倒れた。
雪「ひかみくん!ひかみくん!」
雪先生の声が聞こえる。
男「大丈夫ですか?」
救急隊員の声が聞こえる。
救急車に乗ったのは今年二度目。
奇跡的に指は大丈夫だったらしい。
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