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昨日の第1音楽室
琴「ピアノ弾こ…」
廊下から声が聞こえた。扉を見ると男子二人が部屋を覗いていた。
湯「ついたぞ」
祐「聞こえる?」
こそこそと会話している。
湯「誰もいないしピアノの音も聞こえない」
祐「ピアノの蓋は?」
湯「開いてないよ」
琴(肝試しか)
二人には見えてない。一応物陰には隠れていた。
ガチャ
ゆっくり扉が開き、中に入ってきた。懐中電灯の光が机、黒板、ロッカー、ピアノ、部屋の隅々を照らした。
祐「何もいないね」
湯「以上なしか」
しばらくして
祐「ねぇピアノは?」
湯「ピアノ?」
祐「ほら学校の七不思議!呪いのピアノ!」
湯「何もないじゃん」
祐「でもほら!ピアノの蓋を開けてみて!血とかついてるかも!」
二人はピアノカバーをめくり、ゆっくり鍵盤の蓋を開けて見た。
湯「何もないじゃん」
祐「なんだ…」
琴(早く帰って~)
しばらく鍵盤を見つめていると
湯「俺さ 前にここで女子の指を挟めたことあるんだよね」
その言葉に反応した。
祐「は?マジ?なんで?」
湯「俺告白したのにフラれたから 仕返しにピアノの蓋をおもいっきり閉めてやったの!」
祐「いつ?」
呆然。頭の中はごちゃごちゃだった。
湯「一年のこの頃」
祐「最近じゃん!」
湯「告白の返事はなかったけど しかもどこかに行ったし 転校か?」
祐「名前は?」
湯「琴音だっけ?」
その時理解した。自分はこいつに鍵盤の蓋を閉められたこと。自分はこいつに殺されたんだと。
湯戸は適当にピアノを鳴らし始めた。
祐「下手な演奏すんなよWWW」
不協和音が音楽室に響く。
頭が真っ白になった。怒りを抑えられなかった。
そこからは記憶がない。
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