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社長は、立ち上がり、豊本の方へ近づきながら続けた。
「いいか。この日本で、そしてまた、世界で使われているすばらしい技術は、国や大企業が編み出したものがすべてじゃない。
我々。我々のような中小企業の努力が世界を支えているんだ。
ここにいれば、そういう夢を追い求めることが出来る。
この後で行く青平電気の面接官に聞いてみな。
彼らがポリシーを持って仕事をしてるか、自分のやりたいことが出来ているか。
偉そうに座っている面接官だって、あの会社の中のただの歯車だよ。
社長にしたってそうだ。
株主に首根っこを掴まれてる。ここは違うぜ。俺が法律だ。
そして、俺の次の社長だって俺が決める。お前だってがんばれば、社長にしてやるよ。
大手会社の人間は自分に言われたことしか出来ない。ここだと全部自分で出来る。独立だって簡単に出来るようになる。」
ここで、社長は、手招きして向きを変え、奥の部屋へ進んでいった。
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