5章:いよいよバレましたか。

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そんな事をすれば 風見くんの思うツボ。 ジンの態度にほくそ笑んでいる。 まわりにいた社員も 興味津々にチラチラ見ながら 『恋のライバル登場だな』 『三角関係がどう発展するか』 『いっそコレを記事にするか』等々 言いたい放題に盛り上がってくれている。 女性陣に至っては 『副編集長ってカッコいいね』 『王子って感じよね』 『いいなぁ…ちょっと羨ましい』 と、まぁ。 マンガに出てくる王子様を見るような目で ウットリしちゃってくれてるし。 学生じゃあるまいし 大人になってまで社内噂の中心になりたくはないのに。 本当にこの2人の犬猿の仲には困ったものだ。 「ジン、大丈夫だから落ち着いて。  風見くんも、誤解されるような事はしないで。  そして2人とも  そろそろ仕事に戻ろうか」 半ば呆れながら 火花を飛ばしあうジンと風見くんを置いて 何事もなかったようにアタシだけ自部署に戻った。 終始イライラしかしない。 社内のどこを歩いていても チラチラと好奇な視線を感じるから。
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