兎の中の人、都会に負ける

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 その日、私はとある試験を受けるために久々に都会に出てきた。  半年後ぐらいか一年くらいぶりか  長時間バスに揺られ、ようやく着いた都会。  ある程度の緊張と「オラ、都会に来ちまったさー」の受かれた気持ちが混じりあい、そわそわしつつ電車の乗り場を探す。  電車の乗り換えも調べ、試験会場の最寄り駅から一駅手前。  お昼を食べる時間があることを確認して、せっかく来たのだからと少しオシャレなお店に入り、ゆっくり昼食をとった。  一駅ならなんとかなるだろうと、思っていたあのときの私は都会の恐ろしさをすっかりわすれていたのだ。
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