第1話 俺は何故か福沢諭吉だった

1/3
前へ
/11ページ
次へ

第1話 俺は何故か福沢諭吉だった

「お~い誰かここから出してくれ」 俺は暗くて狭い密閉空間に閉じ込められていた。ココがどこだかも分らないし、身動きが全く取れなかった。 俺の名前はとりあえず福沢諭吉としておく。気づいたら何故か諭吉として生活をしていた。 微かな記憶を辿ると俺達、兄弟は交通事故によって死んだ。そんな兄弟と楽しい新生活を送っていた。 12時間前まで妹の樋口一葉と弟の野口英世の3人で仲良く寄り添いながら過ごしていたがある事件がきっかけに俺達は生き別れとなってしまった‥ 12時間前‥ 俺達3人は狭い封筒という部屋で仲良く生活を共にしながら将来の夢を語っていた。 「お兄ちゃん、私大きくなったら作家さんになりたいの。だからまた人間に戻れるかな? 」 「戻れるさ。英世は何になるんだ? 」 「僕は人間になったら医者になりたいな。兄ちゃんは? 」 「俺は人間に戻ったら偉い学校の先生になりたいな。そうしてお金持ちになって大きい家を建てよう」 俺達は人間に戻ったと時の夢を語っていた。両親は幼い頃に死んでしまい、祖父母の家でお世話になった俺達は決して裕福な生活を送っていなかった。 お金が欲しいと願ったらまさか自分がお金になってしまうなんて夢にも思わなかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

12人が本棚に入れています
本棚に追加