第1話 俺は何故か福沢諭吉だった

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こうして平和で幸せな俺達の暮らしを引き裂いた奴が、俺達に牙を向けようとしていた。 俺達が過ごす部屋の外ではある陰謀が蠢いていたのだ。 カビ臭いボロアパートの一室で30代後半の小太りの男性が、パソコンを見つめながら美少女系動画を視聴しながら不気味な笑みを浮かべていた。 「金あまりないけど、この子のコンサート行きたいな。でも折角だから行こうかな」 この事件をきっかけの俺達の悲劇が始まった。男は封筒を汗ばむ手で握り、近くのコンビニという所に連れて行かれ俺達は人身売買の取引先に連れて行かれてしまった。 ガヤガヤ 「お兄ちゃん、怖いよ」 「大丈夫だ。お兄ちゃんが守ってやる」 只ならぬ不穏な空気を醸し出す、コンビニの店内でハアハアと言う息づかいをする男の目は血走りながらある、人身売買の取引相手と闇取引を行っていた。 「柚葉ちゃんのコンサートチケットをください」 「はい、では9800円です」 「高いな~ なけなしのバイト代を使おう」 男は不気味な笑みを浮かべながら俺を封筒からつまみ上げると 「お兄ちゃん行かないで」 「兄ちゃん! 」 「英世、一葉のことを頼んだぞ。兄ちゃんは必ずお前達を探し出すからな」
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