第2話 アイドルを辞めても愛されてる件について。ー匠Side

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昼食を終えると、俺はハルを連れて表参道へ向かう。 まずは予約しておいた眼科に行かせ、眼鏡からコンタクトに変えさせる。 眼科はわりと時間がかかる為、俺は近くのカフェのカウンターの一番端でハルが来るのを待つ事にした。 カフェには女子がたくさん来る為、サングラスをしてなきゃいけないのが辛い。 「お、新しい話アップされてる」 今ハマっている海外ドラマを見ながらコーヒーを飲む。 芸能人の時はカフェで休まる暇も無かったからこういう時間が結構好きだったりする。 「た、匠くん。お待たせ」 「お、お疲れ」 カフェに入ってきたハルを見て俺は驚く。 眼鏡しているから地味に見えただけで、結構中性的な顔立ちをしているんだな。 良い素材を持ってる。 「やっぱり落ち着かない……」 「後はそのだせぇ髪型と服装だな」 「だ、ださい!?」 「ほら、早く行くぞ」 「えー!」 すぐさまアイドル時代によく行ってたヘアサロンへ。 「久しぶりですね、神城さん」 「電話で話した通り、今日は友人をお願いしたいんですけど」 「分かりました! 髪型と髪色はどうしますか?」 「こんな感じで」 ヘアサロンに着くと、俺はカフェにいる間保存しておいたモデルの写真を美容師に見せる。 ハルはというと、借りてきた猫みたいに戸惑った様子。 「あの……」 「大丈夫だ。この人は俺がアイドル時代お世話になった人だから」 「た、匠くんと同じ担当さんに俺なんかが……」 「また俺なんかか。気にするなよ、いちいち」 「けど……」 「お願いします!」 強引にハルを椅子に座らせる。 そして、2時間後……長く一つに結ばれていた黒い髪はばっさりと切られ、栗色のマッシュルームカットの今時の男子大学生に少し近付いたハルだった。
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