第1話 推しが友達ってアリですか?ー晴side

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けど、アメリカを発つ前にまた会えるんだ! 「き、緊張してきた……」 「大丈夫? 晴」 「お母さんはジュエスタのライブ初めてだね」 「うん、アイドルのライブ自体初めて!ふふ、こんな緊張した顔の晴見るの新鮮」 「だって、憧れの人に会えるんだもんっ」 もしかしたら、これが最後になるかもしれないけど。 「皆、CDリリース記念ライブに来てくれてありがとう! 今回は握手会もあるって事で皆とたくさん話ができるな! 俺ずっと今日を楽しみにしてたんだ! 最後まで俺に夢中にさせてやるから覚悟しろよな!」 ミニライブが始まり、たくみんが挨拶を始めた瞬間……俺の頰には涙が流れた。 「やっと会えた……」 「は、晴?」 まだ2回目のライブ。 だけど、俺にとってようやく行けた2回目のライブ。 どうしよう、これが最後だったら。 病院にいる間、ずっとCDや動画でジュエスタを堪能はしてたけど、やっぱり会うのが一番だ。 それにたくみんのメンバーカラーである赤いペンライトを振って彼を応援できる瞬間が何より好き。 他のファン達みたくたくさんライブ行ける身体だったらな……。 神様、お願いだからライブにたくさん行ける身体にしてください! 新しいメンバー二人入ったけど、それでも俺の最推しはたくみんのまま! 俺は気弱だから、はっきりした物言いの俺様なたくみんにひどく憧れちゃうみたい。 「皆のヒーローレッド! 俺様何様匠様!」 普段は出せない大きな声で紹介ラップを他のファン達同様歌う俺。 親が引いてる気がするけど、気にしない! 「皆、最後まで俺達を愛してくれてありがとう! 次は握手会だ!」 ミニライブ終わりのたくみんの発言に俺はドキッとする。 本当にたくみんと会話するんだ……。 周り、全然男子いないけど変に思われないかな。 どうしよう、何て言おう?
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