エピローグ

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いつもの食べ処を諦めて、改めて風変わりのない景色に視点を移した。 そこにはやはりなにも楽しいものはなかったが、どうやら今回は1点において例外が私のもとに近づいてきた。 彼がどういう種の生き物なのか、あるいは学のある人間なら知っているのかもしれないが、そんなものを持ち合わせていない私にとって彼がどんな生き物なのか検討もつかないが、それなりにこの辺りで生きてきて、彼とは古い付き合いである為、彼のことはそれなりに知っているつもりだ。 と言っても、彼にはこの辺を速く動くのに適してそうな足が1つある事と、彼の口も同じ様に流暢であるということしかわからないのではあるが。 そんな事をかんがえていると、彼が堪らず私に声をかけてきた。いつも彼はそうだ。私から話しかけたことなど過去にあっただろうか。そう。彼はせっかちなのだから。 「どうしたんだい?君がこの時間に藻を食べてないなんて珍しいじゃないか。」 「いや、どうやら私も歳をとった様なんだ」 「どういうことだい?」 「なんてことはない。私はいつの間にか叔父になっていたみたいなんだ。」 「それはおめでとう。」 「何がめでたいものか。そのおかげで今は食いぶちに頭を抱えている。」 「それならお前にいい情報があるぜ。」 その言葉に、私は顔を歪めた。彼はそれを見るや否やニヤリと口元を緩め、そのまま続けた。 「実は最近この辺りに新しい店が出来たそうなんだ。実はこれは俺しかしらない。 その藻は見たところとても濃厚でとても美味しそうなんだが、実は面倒な所にあってな。」 「面倒なところ?」 彼は私の反応を知っていたかの様に、そのまま続けた。 「あぁ、どうもよく分からないものの近くにぶら下がってる紐状のものにくっついてるんだ。 藻の色も俺は見たことない。あんなに黒々とした藻はきっと美味しいだろうな。」
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