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第04 プレゼント
授業中美由紀からノートが来た、隅には・・・
『期待してるね』
短い文だけど、意味は伝わった。
『任せて!』
と俺は返し美由紀を見つめた、美由紀は俺を見て嬉しそうに頷いた。
これこそ、天使なのでは無いだろうかと思える程だった。
真理は健太を意識してる、健太は雪が気に入ってる良い感じだ。
俺の視界の隅に消しゴムが転がり込んで来た。
俺は学習をしている、これは拾ったら行けないんだ・・・。
あれ? 持ち主が視界に来ない、仕方が無いな。
ゴツン!
「痛い」
「痛っ」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
「大丈夫だよ、真理」
う~ん、真理も学習してたか。
学がもっと仲良くなって見てあげれば良いのにと、俺は理不尽だけど思った。
ゴン!
「ハァ」
「浩介、ため息なんてどうしたの?」
「あ、中々授業が難しくてさ」
「うんうん、大変よね」
「でも2人で頑張って行こうね」
「有難う、美由紀」
ケッ、何が頑張って行こうねよ、しかし何で真理は健太をチラチラ見てたのかしら、可怪しいわ。
それに毎日聞こえる、ゴンって音は何なのよ。
帰ったら日曜日の為に作戦立てた方が良いわね、それも浩介にばれないように・・・夕飯抜きは厳しいしね。
放課後に成った。
「あ~ 今日のお勤めも終わったね」
「浩介、お疲れ様」
その一言が嬉しく、癒やされて行きます。
「美由紀もね」
校門で別れて、俺と雪、真理は家を目指した。
「こんなに早く、沢山のお友達が出来るとは思って無かったわ」
「皆優しいでしょ」
「はい、これも雪のお陰よ」
そりゃそうだ雪は真理を狙っているのだから、俺は真理と健太が上手く行くように、手助けするからなと心で誓った。
「また明日ね」
「また明日」
「今日は有難う、明日も宜しくね」
う~ん、見た目と性格は良いんだけどなぁ、クマさん見たのが行けなかったな。
俺と雪は家へ入った。
「雪、話がある」
雪をリビングに促した。
「雪、何を企んでる?」
「何も企んで無いわよ」
「本当に?」
「本当よ、何かしたらご飯食べれ無くなっちゃうから、それに兄さん優しいから妹でも良いかなと」
少し悲しそうに雪は言う、それも可愛いんですけどーー。
何で一つ一つの仕草は可愛いのに、全体で見ると危険センサーがMAXに成るのか不思議だ。
「雪よ確認をしときたいんだけど、もう隠してる事無いよね?」
「兄さんは、まだ疑ってるの?」
「嫌そうじゃ無いんだ、確認だよ」
「無いわ、兄さんは優しいし大好きよ」
大好きよ、大好きよ、大好きよ、脳内で木霊する雪の言葉。
あああ危ない、萌え尽きる所だった。
俺は自分の部屋でゲームをしていた。
「兄さん、入って良い?」
「どうぞ~」
「兄さんはゲーム好きよね」
「うん、何か話が合ったんじゃないの?」
「話と言うか今後の事何だけど、本当にこのまま続けて良いの?」
「それはどう言う意味でかな?」
「美由紀と付き合うとさ、私が邪魔に成るかなぁと、確認をしときたくてね」
「邪魔になんて成らないさ、美由紀も良くしてくれると思うよ」
「それなら良いんだ、兄さんしか頼れる人居ないからさ」
「大丈夫だよ、雪は可愛い妹何だから俺を信じてね」
「有難う」
だから、その微笑みは反則なんだってばーーー。
しかし騙されない、絶対何か企んでるよな、でもなぜ雪を見ると、優しくしたく成ってしまうんだろう不思議だ。
間違いないわ、浩介には糸の効果が効いている、これをいかに上手く使うかがポイントね。
それは大きな間違いであった・・・
「兄さん、お風呂空いたわよ」
「はーい」
ふぅ、明後日か今まで告白なんて経験無いしなぁ、土壇場で断られたらショック大きいよなぁ。
しかし、チャンスでも有るのは確かなんだよな。
よし、頑張ってみよう。
明日は午前で授業終わるし、色々考えてみよう。
取り敢えず、明日は授業も半日、少しでも糸の力を上げとこう。
このパワーがある限り、私は無敵!
今日は、ぐっすり寝れそうだわ。
寝たからと行ってパーわーは上がる物では無かった。
翌朝何時もの様に、2階へ上がる階段で待機する雪に浩介はお願いをする。
「雪、今日はカバンにお弁当入れないで良いからね」
「は~い」
う~ん、今日もブレザーの制服が可愛い。
「雪は人間界に慣れた?」
「はい、このまま兄さんと一緒に、生きて行っても良いかなと思う日も有りますよ」
土曜日、学校の帰り道
「俺ちょっと用事が有るので、真理、雪をお願い出来るかな?」
「はい、大丈夫ですよ」
笑顔で言う、その反面雪は疑わしき視線を送ってくる。
「それじゃ」
俺は駅へ向かった横浜まで行って、明日美由紀にプレゼントする物を買う為だ。
駅で、車中でと色々考えたが、やっぱりペアの物が良いな、それも他人からは見えないような物。
駅に着くと、足早に若者向けのアクセサリーを売ってる店へ入った。
「う~ん、これにするか」
一人呟き納得して、ハートのネックレスを2つ買ったのだった。
「ただいま~」
「兄さん、お帰りなさい」
私服可愛いなぁ~ これがただの妹だったら、何でも言う事を聞いて上げるんだけどな。
「兄さん、お弁当食べたら私の部屋へ来てくれますか?」
「どうして?」
「明日着て行く服を、一緒に選んで欲しいんですが駄目ですか?」
何だ! ご褒美タイムじゃないか!
「駄目ですかね?」
「勿論、良いよ」
やばーーーーい、最高のデザートだ!
俺は急いで食事を終わらせ、2つの弁当箱を洗って雪の部屋へ向かった。
スーーーハーー 良し!
「雪、入って良いかな」
「はい」
「兄さん、椅子に座って下さい」
「は~い」
ベッドの上に異常なまでに多い私服が並んでいた、雪のクローゼットは何処かと繋がっているのだろうか?
「ちょっと後ろ向いてて下さいね」
俺は椅子でくるっと周り背中を向けた。
「どうぞ」
写メを撮る。
「な、何で撮影するんですか?」
「だって、姿見無いんだし、自分でも確認したくない?」
「そ、そうですね」
「俺と雪は取った写メでこの色のスカートなら上は・・・などと話した」
最初は、超感激しながらやってた物の、3時間ともなると流石に飽きてくる。
雪は夢中なせいか、もう俺が後ろに振り向いて無いのも構わず、下着姿を晒し次々と着替えて行く。
堂々と見る場合って、大してドキドキしない物なんだな。
「雪、俺思った事が有るんだ」
「ん?」
「雪は可愛いから、どの服着ても似合うんだよ、言い方を変えれば、どんな服を着ても雪自身が勝ってしまうから、決まらないんじゃないかな?」
「兄さん・・・」
何をモジモジして赤くなってるんだろう、まぁ可愛いけどね。
これは、浩介の赤い糸の効果である、雪も天使とは言え、浩介と繋がってるので油断をすれば効果が出て来る。
「ちなみに一番良かったのはどれ?」
俺は一番良いと思ったのをスマホで見せる。
「それにするわ」
「きっと雪の可愛さに、皆ビックリするよ」
俺は雪を抱きしめ、頭を撫でていた、雪もなされるがまま気持ち良さそうにしていた。
30秒後・・・
はっ、ちがーーーーーーーーう、危うく萌えて昇天する所だった。
んん、ちがーーーーーーーーう、危うく人間も良いなと納得してしまう所だった。
「ゆ、雪そろそろ部屋に戻るよ」
「う、うんありがとうね」
俺は部屋へ戻った。
『ハァ~』
2人同時にため息を付いていたのであった。
雪が来てから、情緒不安定だなと思いつつ無意識に窓を開けた、飛び込んで込んで来た光景は、真理が私服からパジャマに着替えてる所だった。
「うさぎさん」
俺はそっと呟き、静かに窓を閉めたのだった。
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