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 黒を基調にして白いラインの入った浴室は居心地がよかった。  体をボディソープで洗っていると、榊原が入ってきた。 「あー、やっぱり洗っちゃってる」 「何だよ」 「信田さんの匂いが嗅ぎたかったのに」 「変態チックなことを言うな」 「痴漢を痴漢した人に言われたくないです」  もっともな意見だ。  裸の体で抱きしめ合うと、腹の間で邪魔になるほど育った雄がもつれ、こすれる。 「ああ、たまんない。ジェル持ってきます」  おいおい、ここで始める気かよ。  まあ、俺も榊原のを見て、久々に挿れたくなったから、いいが。  黒いタイルに四つん這いにされると、こじ開けられてジェルが注がれる。  さすがに年単位で使っていなかったので、自分でもうまく体の力が抜けない。指一本でもキツキツだ。 「指ちぎれそうですよ。処女ケツみたいだ」 「馬鹿なこと言ってないでほぐせ」  抜き差しされるたびに筋肉の輪の存在を感じる。ここだって性感帯だったはずだ。  そうだ。最初は高校の時だった。自宅のやはり風呂場で親友とじゃれ合って、俺は感じてたんだっけ。 「榊原、胸!」  横柄に愛撫を要求すると、色の淡いのが自慢の俺の乳首を、榊原の指がこねて爪を立てた。電撃が雄芯に走り抜ける。  ああ、体が熱を思い出してくる。  出し入れされる指が深くなるのがわかる。後もう少しで、あそこに届く。そう思うと自ら指を迎えに行こうとしてしまう。 「そんながっつかないで。増やしますから」  骨太く男らしい榊原の指が追加されたジェルとともに押し広げる。  そうだ。この感覚。そして―― 「あああぁぁっ」  指が届いたと同時に、自分が腰を揺らすのがわかった。  蕩けるとろける。腰が、体の中が熱く燃えながら、欲望を押し上げられていく。 「いいっ、もっと、さ、かき、ばら」 「わがままだなぁ」  笑いながら榊原がタイルにシャワーの湯を流し始めた。タイルが温まると俺を仰向けに寝かせ、脚の間から尻を右手で、左手で右胸の突起を、舌で左胸を責め始めた。  俺は激しくタイルの上をのたうつ。全身がビリビリと痺れて震えだし、足先がけいれんしてつりそうだ。両手を榊原の首に回し、頭を振りながら啼き声を上げる。 「あ、ああ……もっ、と、ゆび……うごか、せ」  気持ちいい。久しぶりの感覚に酔う。 「もう駄目、我慢できない」  榊原が俺の尻を抱え上げ、ほぐしかけの場所にあてがった。 「馬鹿、早い」 「すみません。先に謝っときます。ごめんなさい」  肉の輪が一気に広げられた。 「うっ」  息をのんでしまい、慌てて、深い呼吸に変える。 「ゆっくり、いきますから」  ずぶすぶと杭が滑り込んでくる。俺は限界一杯で動けない。ただひたすら、榊原の太さに馴染むのを待つ。 「動かします」  少し抜かれて、さっきより深くまで入り込んでくる。俺は弱いところを突かれ甘い声をあげてのけぞった。 「今いい、とこ、当たりましたよね。ここ責めます」  宣言するな、恥ずかしいから。 「うあ、ああ……あっあっ……はうっ」  ゆっくりとした抜き差しに合わせて声があふれてくる。ぶるぶる震えが来るほど気持ちいい。でも、もっとという欲がある。 「も、っと、奥。まで、こい」 「そんなこと言って、知りませんよ」  奥がメリメリと音を立てそうになりながら広げられた。  まだだ。まだこれじゃない。一杯になっただけじゃ満足できない。 「これで、全部!」  そこをぐいっと突かれた瞬間、俺は頭の中が真っ白になった。悲鳴を上げたことも、榊原がガツガツと突き上げていることもわからなくなりそうなくらい、快感に意識を飛ばしかけた。  少し正気が戻ると榊原の体に腕を伸ばして抱きつき、自らも腰を振り、最奥まで雄を迎えた。 「しのだ、さん、いい、ですか?」 「ああ、さい、こう……このまま、いかせつづけて」 「そんな、むちゃな」  榊原が苦笑した。  突き上げられるたびに湧き起こる快感の波紋が、重なり合って気が狂いそうだ。  俺は今いきっぱなしになっている。  中に榊原が精を放って、俺から抜けていく時、物足りなさを感じた。それと同時に猛烈に相手を征服したい欲もよみがえってきた。  はあはあと荒げた息のまま、タイルの上に起き上がる。 「信田さん?」 「やらせろ、浩一」  榊原が目を丸くした後、「ずるいなあ」と言った。 「名前呼ぶなんて、卑怯ですよ」 「かわいがってやる」  その言葉通り、俺は榊原を解しながら胸の突起を弄り、更に雄心を咥えて喉の奥まで迎えて育ててやった。榊原はあっさり陥落し、震えだしている。 「も、もう、挿れ、てください」  泣き声混じりに訴えるまで弄んでから、一気に突っ込んでやった。 「ひいっ」と榊原が一度上り詰めた。 「速いよ」  言葉でなぶりながら、胸の突起を両手で潰しては摘まむ。腰はゆっくりと深く浅く出し入れしてじらす。 「ああ……や、ぱり、しの、ださん、すごい」 「どうも」  徐々に動きを速くし、奥まで肉を打ち付けて存分に泣かせてから、いかせてやり、俺も解き放った。
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