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プロローグ
人もあまり立ち寄らない小さな小さな公園の、その中心には、城のようにそびえ立つ大きな大きなジャングルジム。彼女達は、その隙間の中にいつもいた。
黄色と白が一つずつ、黒が二つ。その髪色の組み合わせは、付近に住む人々の間では有名だ。毎日毎日、朝早くから夜遅くまでそこにいる。まるで亡霊のような少女達だと。
「ねぇ、みんな」
「なに〜?」
「はい?」
「……?」
「これからも、ずっと、ずぅっと!いっしょにいようね!」
少女の言葉を、否定するものはいなかった。活発な黄色の髪の少女も、清らかな白い髪の少女も、物静かな黒髪の少女も、それぞれが同じ思いを抱いているからだ。
彼女たちには、家族の繋がりすら不要。私達さえいれば、あとはどうなろうと知ったことじゃない。
彼女らを覆うジャングルジムは、自分たちと世界を隔離する鳥籠のようなものだった。
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