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エレベーターの中でも、お互い何も話さない。
だからと言って、嫌な感じだとは思わなかった。
5階でエレベーターが止まり、ドアが開くと先に降りた烏。
私もエレベーターから降り、ゆっくりした歩調で烏の後を歩く。
廊下の床は、黒色の絨毯が、真っすぐ奥まで敷かれている。
壁紙も、黒色。
その壁紙に、薔薇の模様があるのが見えた。
壁と天井の境には、ブラックライトが規則正しく存在を現す様に、怪しく光を醸し出している。
廊下を歩いていると両側に幾つかのドアがあるのが分かったのは、ドアノブがシルバーだったから。
何故か、妙に落ち着く。
1番奥にある大きな両開きのドアを開けた烏が、中に入って行くのが見える。
大きな両開きのドアにも、薔薇の華が施されているのが分かった。
それを見てから、烏に続いて中へと足を踏み入れた私。
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