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ある日、リハビリ室から病室に戻る為に、廊下を歩いていた。 前方から黒のワイシャツに黒のスーツ姿で黒のサングラスをかけた人が、こちらに向かって歩いて来るのが見えた。 全身、黒を身に纏う人。 私の数歩、手前で足を止めた人が、サングラスを外すと『玲か?』と問い掛けてきた。 足を止め、その人を見る。 視線の先には、漆黒の前髪を、片目を隠すくらいの長さのショートヘア。 切れ長の目に、冷たくて鋭い漆黒の瞳。
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