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『奥に行け』と言われ、横に身体をズラすと、烏が隣に乗り込んで来た。
『きじまこうやだ』と言いながら、サラサラと紙に書いて私に見せる烏。
紙には【貴島煌弥】と書かれてあった。
この時、担当医や看護師が『きじまさん』と言っていた人物の正体が分かった。
もう用はないと言いたいのか、何も話さない烏は、腕を組んでいる。
私も話す事がないから、窓の外の流れる景色を見ていた。
暫くすると、街外れに、大きな黒色の門がある事に気づいた。
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