翠蓮華(上)

（８）

この街のホストとしてNO１である俺。

ある程度の知名度があるくらい認識はしていたつもりだ。

「早野翠さんですよね？【lumiere(ﾙﾐｴｰﾙ)】の？」

１人の女が、そう言葉にすると、たちまち俺の周りは囲まれた。

「そう。良く分かったね。でも、今日は、プライベートで、少し覗きに来ただけだから、後は【lumiere(ﾙﾐｴｰﾙ)】で話そう。それにこの店に迷惑かけられないから、ゴメンね」

女達にそう言ってから、群れの中から出て、出口に向かう。

客じゃねぇ女と話す程、まだ落ちぶれてねぇ。

スーパーの外に出ると組員２人が居たが、気にせず蓮華の自宅マンションに向かう為に、少しゆっくりと歩く。