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竹山が、先ほどから感じる違和感に口を開く前。
「半分こだねえ」と言われて、盤に目を落とす。
いつの間にか、白と黒が半分づつになっていた。
「鵜飼、組織に居続けた、理由を答えろ」
竹山が石を置き、黒が多くなる。
「僕は他人を傷つけることでしか、自分を保てなかった、だから組織に所属していた」
鵜飼が石を置き、白が多くなった。
石を置き、黒を多くしてから、竹山は言った。
「そうまでして、自死を伸ばして、生きたのはどうしてだ」
「目的と理由がひっくり返って、自分でも分からなくなること、君にもあるだろう」
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