第9話 優しいアメ

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 竹山が、先ほどから感じる違和感に口を開く前。  「半分こだねえ」と言われて、盤に目を落とす。  いつの間にか、白と黒が半分づつになっていた。 「鵜飼、組織に居続けた、理由を答えろ」  竹山が石を置き、黒が多くなる。 「僕は他人を傷つけることでしか、自分を保てなかった、だから組織に所属していた」  鵜飼が石を置き、白が多くなった。  石を置き、黒を多くしてから、竹山は言った。 「そうまでして、自死を伸ばして、生きたのはどうしてだ」   「目的と理由がひっくり返って、自分でも分からなくなること、君にもあるだろう」
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