第9話 優しいアメ

40/41
前へ
/554ページ
次へ
「本当に、格好いいねえ。お前は、そのままでいるといい」    かちりと、撃鉄が上がるのが見え。  竹山は瞼を閉じる。  乾いた銃声が聞こえる前。   「……鵜飼さん! やめて下さい!」  知っている声と、ふたりぶんの足音が聞こえた。  竹山は目を開き、光景に驚く。  鵜飼に銃を向けるふたり。    ―――沖光と榎本の姿があったからだ。 「ふたりとも。慣れないモノ持って、どうしたんだい」 「慎一郎さん、弾の入っていない銃を下ろして下さい。ここに竹山君を連れて来てからの会話、盗聴させてもらいましたよ」
/554ページ

最初のコメントを投稿しよう!

54人が本棚に入れています
本棚に追加