第10話 オワリをあなたに

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     *  扉の外に出ると、リリコの息は白い煙になり。  すぐに消えた。    新宿歌舞伎町の中心に建つ総合ビル。  三十二階にあるヘリポート。  灰色の空が近く、地上の喧騒は聞こえず。  風の音だけが響いている。  強い風と雨粒に全身が包まれ。  リリコは冷たさは感じない。  ヘリポートの『H』の上に居る三人へ。  リリコはまっすぐに進む。 「よく、こんな場所を貸し切れましたね。まだ、午後三時ですよ、犯行を行うには明るすぎませんか」
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