第10話 オワリをあなたに

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 リリコは、三人と1メートル程距離を取り、止まった。   「この舞台を用意した悪い大人は、この様子をどこで見ているんでしょうか。どうして、今日は、私の偽物がふたり居るんでしょう」   『偽物は、あんた、私たちが『リリコ』』  十一年前の自分たちが、声をそろえて自分に返した。  肩下の髪の毛で、白いセーラー服を着たふたり。  格好だけでなく、背格好も同じ。   顔を下に向けているので見分けがつかない。 「仮装大会なら、お家でしなさい。人質を、すぐに解放しなさい」
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