第10話 オワリをあなたに

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「殺さないと、五分、ごとに、ひとりづつ、死んでく」  リリコは、携帯に視線を向ける。  十二個の画面のひとつの中。  丸い縄を首に掛ける未成年の女子。 「すぐに、馬鹿な真似をやめさせなさい」 「じゃあ、殺せ」 「殺しません」 「じゃあ、死ぬ」  どちらかの『リリコ』が言ったあと。  涙を流し始めた女子が、口を大きく動かす。 「声は、流れないの知らない、馬鹿」
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