随筆三:好きなのにいじめるの?

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随筆三:好きなのにいじめるの?

6b82053a-859e-4f6d-9ccb-7d9e7573fb9f4f30ded6-5072-4001-9453-efc465215a5a 心桜「あーこれ・・・こういうヤツいるよねー」 七夏「え!? どしたの?」 笹夜「心桜さん。それは・・・お手紙かしら?」 美夜「こういうヤツって、どういうヤツですか?」 衣夜「いじわるする人?」 心桜「おっ! 里河さん鋭い!」 衣夜「え!?」 心桜「切れ味は笹夜先輩で、鋭さは里河さんって事なのか? そういう路線なのか?」 七夏「路線の事なら、お父さんが詳しいかもです☆」 心桜「い、いや。リアルな路線の事ではなくて!」 美夜「ここ先輩、いじわるする人が、どうかしたのですか?」 心桜「あーそれは、この手紙を読めば・・・」 笹夜「心桜さん、歩き手紙は危ないです」 心桜「歩き手紙・・・歩きスマホみたいな言われ方! まあ、確かに危ないかも・・・気をつけます!」 笹夜「ええ♪」 心桜「んじゃ、改めてお手紙を読むね!」 七夏「はい☆」 心桜「ペンネーム、クラスにひとりさん『皆様、こんにちは。私のクラスに、私の事をよくからかったり、いじわるしてくる男の子がいます。その子は、私以外にもいじわるしていたりしますが、特に私に対しては、よくからかってきます。なんとか止めさせる方法はないでしょうか?』・・・という事だそうです」 七夏「どおしてかな?」 心桜「いやいや、つっちゃー! これは、あれだよ!」 七夏「あれ・・・どれ?」 笹夜「七夏ちゃん、きっと、その男の子は、お手紙主さんの事が気になっているのだと思います」 美夜「よーするに、好きって事です!」 心桜「さすが美夜っち、直球だねー。美夜っちは直球キャラで、つっちゃーは天然か・・・あたしはなんだろ?」 美夜「ボケとツッコミ・・・」 衣夜「み、美夜ちゃんっ! すみません! 天美先輩!」 心桜「はは・・・間違ってないかも・・・」 笹夜「もう、美夜ったら・・・」 七夏「どおして、好きなのに、いじわるするのかな?」 心桜「どおしてって・・・どおして?」 七夏「柚樹さんは、とっても優しくて、いじわるなんかしないです☆」 笹夜「人に依るという事かしら?」 美夜「好きな人に優しくできる人と、出来ない人・・・この三つに分けられます!」 心桜「なるほど、三つね・・・んで、あとひとつは?」 美夜「後ひとつは・・・衣夜っちにおまかせ!」 衣夜「え!? わ、私!?」 心桜「はは・・・里河さんも大変だねー」 衣夜「えーっと、な、何も行なわない人!」 笹夜「まあ!」 心桜「おー! 確かに!」 美夜「ねっ☆」 七夏「くすっ☆」 心桜「なるほど、里河さんは、好きな人を、ただじっと見つめるだけの人って事?」 衣夜「ど、どおしてですか?」 心桜「無茶振り時、咄嗟に出てくる言葉は、その人の本質を表してたりするからね」 衣夜「そ、そうなのですか?」 七夏「お手紙の人にいじわるする人って、本当に好きなの?」 心桜「多分、だけど、関わりたいんだよ」 笹夜「でも、素直に関わるのは恥ずかしいから、ちょっといじわるしてしまうのかも知れません♪」 美夜「まー好きな人に関わりたいというのは、分かるけどね」 衣夜「素直になれない・・・か」 美夜「好きなのに、好きって言えない、もどかしさ」 心桜「美夜っち、五七五を意識した?」 美夜「途中で気付いたけど、あえて変えずに強行した」 心桜「さすが直球!」 美夜「そんなつもりないのに、このままだと駄洒落になってしまうー的な事って、あったりしませんか?」 心桜「スキー好き? つっちゃー!」 七夏「え!? すき焼き好きかな?」 美夜「箸は端っこに置かない!」 笹夜「な、何かしら?」 美夜「お姉ちゃん! ここは何かひとつ寒い駄洒落を言う流れでしょ!」 笹夜「そんな急に言われても・・・ま、まっさらのお皿・・・」 心桜「切れ味が落ちた! 里河さん! 助けて!」 衣夜「え!? か、華麗なカレー・・・」 心桜「おー! あったまきた! じゃなくて温まってきた!」 七夏「今日のお夕飯は、カレーにしようかなぁ☆」 心桜「いいね!」 七夏「くすっ☆ では、みんなで一緒に☆」 心桜「わぁーい!」 笹夜「えっと、そろそろいいかしら?」 心桜「はい! 舵取りすみません!」 笹夜「どうすれば、いじわるを止めさせられるかについて、何か方法はあるかしら?」 美夜「止めろ! 大声出すよ! ってのは?」 笹夜「それは、逆効果ね。きっと『好意的ないじわる』から『悪意的ないじわる』に変わってしまいます」 衣夜「わたしの事、好きなの? だったらどうかな?」 美夜「は? 好きなわけねーよ! 自意識過剰なんだよ! ・・・って、なるよ」 衣夜「そう・・・」 笹夜「でも、里河さんの方法は、かなり効果的だと思います♪」 心桜「え!? 逆撫でにならない?」 七夏「好きだったら、優しくしてくれると嬉しいな☆」 美夜「水風先輩に言われたら、解決するかもだけど、あたしの場合は・・・」 笹夜「美夜、分かっているのなら、もう少しお淑やかに---」 美夜「無理っ! あたしがあたしでなくなる!」 心桜「はは・・・ま、クラスにひとりさん。とりあえず、いじわるしてくる人に、自分の事が好きなら、いじわるを止めてって話すことかな?」 美夜「もし、好きじゃなかったら?」 心桜「今後とも、変わらずよろしくお願いします!」 笹夜「心桜さん・・・」 心桜「いやいや、変わるって、好きだって! だから、好きじゃないという選択肢は無い!」 七夏「くすっ☆」 心桜「だから、クラスにひとりさん、言う気を持って頑張って!」 笹夜「勇気・・・かしら?」 心桜「なんで分かるんですか・・・って、これもお約束だね」 七夏「おたより、ありがとうございました☆」  ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 美夜「そう言えば、なんで、クラスにひとりずついらん事するヤツが居るんだろ?」 衣夜「先生も上手いこと振り分けてるよね」 心桜「そうとは限らないよ?」 美夜「え!?」 心桜「クラスにひとりではなく、そいつが居るからひとりなんだよ」 衣夜「どういう事ですか?」 心桜「こんな事例がある。いわゆる『ガキ大将』が、転校でクラスから居なくなったんだよ。するとさ、今まで目立ってなかった人が、ガキ大将っぽくなってきて、そのままガキ大将へと昇格したんだ」 美夜「・・・と言う事は・・・」 衣夜「先生が振り分けているのではなく、クラスごとにひとりずつそういう人が現われる・・・」 心桜「そういう事になるね」 衣夜「エスカレーター方式でしょうか?」 笹夜「エスカレーターでも、下る方のエスカレーターかしら?」 心桜「わわ! 笹夜先輩、砥石あったんですか?」 笹夜「ありません!」 七夏「砥石ならあります☆」 心桜「つっちゃーは、いつのまにか、カレー作ってたんだね」 七夏「くすっ☆ もうすぐ出来ますから☆」 心桜「いつも、ありがとね」 笹夜「七夏ちゃん、いつもありがとう♪」 美夜「水風先輩、ありがとうございます!」 衣夜「ありがとうございます☆」 心桜「んでは! つっちゃーが頑張ってる前作『翠碧色の虹』本編はこちら!」 心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_frma_a.htm」 心桜「そして、あたしと笹夜先輩も頑張る『ココナッツ』宛てのお便りはこちらです!」 心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_suiheki_novel.htm#QUESTIONNAIRE」 美夜「衣夜っち!」 衣夜「な、なに!?」 美夜「衣夜っちも、水風先輩みたいに頑張るんだよ!」 衣夜「う、うん!」 美夜「・・・って、どうしたの?」 衣夜「とりあえず、水風先輩のお手伝いから・・・と思って」 心桜「里河さんも、天然要素あるのかな?」 随筆三 完 ------------ 随筆をお読みくださり、ありがとうございました! 今後とも、どうぞよろしくお願い申しあげます!
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