随筆六:有言不実行に渇っ!

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随筆六:有言不実行に渇っ!

f87b74aa-a1fe-4b05-9265-362929949f7af56482a1-0ece-4a5b-893e-7599ff6677af 心桜「渇ーーーっ!」 七夏「ひゃっ☆ どしたの?」 心桜「いや、久々だからちょっと気合を入れてみようと」 笹夜「心桜さん、渇とは大きな声で叱ること、おどすことです」 心桜「え? そだっけ? ほら、よく和尚さんが渇専用棒で気合を入れてない?」 七夏「渇専用棒?」 笹夜「座禅中の僧の、心のゆるみを戒める時に肩を叩く警策(けいさく)のことかしら?」 心桜「あ、そんな名前なんだ」 美夜「渇ーーーっ! ここ先輩っ!」 心桜「おぅわぁっ!」 衣夜「み、美夜ちゃん!?」 美夜「安心せよ・・・峰打ちじゃ!」 心桜「いや、峰打ちの方が痛いと思うけど・・・」 美夜「あー、確かに空き缶とか角の方が痛いからね」 笹夜「美夜! 先輩に失礼な事をしてはなりません! すみません、心桜さん」 心桜「あ、いえいえ! このくらい全然構いません。むしろ楽しいし」 美夜「さっすが、ここ先輩!」 笹夜「もう・・・美夜ったら・・・」 心桜「でもさ、美夜っちそれ、孫の手でしょ!?」 美夜「そんな都合よく警策がある訳ないでしょ?」 心桜「はは・・・それもそっか」 衣夜「美夜ちゃん、孫の手はどこから持ってきたの?」 美夜「ん? そこに置いてあった」 笹夜「もう、勝手に持ってきて・・・すみません、七夏ちゃん」 七夏「くすっ☆ 孫の手は、ご自由にお使いくださいです☆」 美夜「ところで、ここ先輩。なんで気合を?」 心桜「ん? それは久々だから・・・って、あっ、そうか!」 美夜「そうですよ? 久々どころか、一昨日も皆で会ってますよ?」 心桜「それは、こっち側の都合で、あっち側は久々でしょ!?」 美夜「あっち側?」 衣夜「もう、何のことだか・・・」 笹夜「カメラが回っているという事ね♪」 心桜「そうそう! それで、これが、この度のテーマです!」 七夏「おたよりです☆」 美夜「なるほど!」 心桜「では、なるほど納得の美夜っち! 読んでみたまえ!」 美夜「はいはーい!」 笹夜「大丈夫かしら・・・」 衣夜「笹夜先輩、きっと大丈夫です♪」 美夜「では、読みます!『皆様、こんにちは。私は有言派(ゆうげんは)と申します。私には妹が居るのですけど、言うだけで、なかなか実行しない性格に困っています。例えば、先にお風呂に入ると話しておいて、なかなか入ってくれません。私がお風呂に入らないなら先に入るよと話すと、急に入るから待ってと話してきます。こういう事が結構あって、予定通りに事が進みません。なんとか改善できないでしょうか?』・・・これは、困ったちゃんだねー」 笹夜「まあ! 美夜と同じね・・・」 心桜「え!? って事は、有言派って、笹夜先輩ですか!?」 笹夜「いいえ。私ではないです」 心桜「・・・って、事は、美夜っちを正せば、解決になると」 美夜「えー? あたしは、お風呂に入るって言ったら入るよ?」 笹夜「でも、すぐに入ってくれないから・・・」 美夜「それは、先に済ませたいことがあるからで・・・」 笹夜「では、その間に私が入るのは、どおしてダメなのかしら?」 美夜「お姉ちゃん、お風呂長いもん!」 笹夜「そ、それは、体を丁寧に洗いたいし、髪も長いし・・・」 心桜「まあまあ、お二人とも、ここで言い争いしないでさ、美夜っちが先にお風呂に入りたい理由は分かるけど、先に済ませたいことって、後回しには出来ないの?」 美夜「行いたい事によるかな・・・先に行いたいことが長引きそうなら、その時は、お姉ちゃんに譲ってるよ」 七夏「くすっ☆ 美夜ちゃんも、ちゃんと考えてるみたいですから、笹夜先輩☆」 笹夜「何かしら?」 七夏「えっと、時々なら我侭も許してあげるといいなって☆」 笹夜「・・・そうね・・・私だけならまだいいのですけど、両親まで影響を受ける事がありますから・・・」 衣夜「もしかして、美夜ちゃんがお風呂になかなか入らないのって、私も原因になっている?」 美夜「いや、それは大丈夫! 衣夜っちに迷惑は掛けてない!」 心桜「では、有言派さんの妹さんはどうすれば・・・衣夜っち!」 美夜「はーい! 黙って素早く先に入る!」 笹夜「それ、私が行なうと美夜、怒るでしょ?」 心桜「はは・・・」 美夜「お姉ちゃんは、素早くないもん! 有言派さんの妹さんも、何か先に行いたいことがあるから、なかなか入れないんだよ。だったら、お姉ちゃんは、妹の行いたいことが完了するまでに悟られないように、お風呂に入って出てしまえばいいって事!」 笹夜「どっちに話しているのかしら?」 美夜「両方!」 衣夜「美夜ちゃん・・・」 心桜「気付かれないように・・・か・・・」 七夏「? どしたの? ここちゃー?」 心桜「笹夜先輩! ステルスモードですよ!」 笹夜「え!?」 心桜「特技じゃないですか? ステルスモード!」 笹夜「特技ではないです! 話に入るタイミングが難しかっただけです!」 心桜「とにかく、これは実践あるのみ!」 笹夜「どおしてこんな事に・・・」 美夜「ま、お姉ちゃんのお風呂が、素早くなってくれるなら、先でも後でも構わないけどね!」 心桜「でもさ、黙って先にお風呂に入るって実は・・・」 笹夜「?」 美夜「実は?」 心桜「不言実行! つまり、格好良いって事!」 笹夜「まあ!」 美夜「この場合、ちょっと卑怯な気がする」 心桜「いや、これも作戦ですよ!」 七夏「くすっ☆」 衣夜「これって、有言派さんへの答えになっているのでしょうか?」 心桜「里河さん、それは、有言派さんにも試してもらうしかないでしょう!」 美夜「ひとつの方法って事ですね!」 心桜「そうです! さすが、当事者が言うと説得力がありますなぁー」 美夜「当事者ではないです!」 七夏「笹夜先輩☆ 頑張ってくださいです☆」 笹夜「・・・ええ・・・」 心桜「ではでは! つっちゃーも頑張っている前作『翠碧色の虹』本編はこちら!」 心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_frma_a.htm」 心桜「そして、あたしと笹夜先輩も頑張る『ココナッツ』宛てのお便りはこちらです!」 心桜「http://nanatsuiro.my.coocan.jp/nnt_suiheki_novel.htm#QUESTIONNAIRE」 七夏「有言派さん、おたより、ありがとうございました☆」 衣夜「私も、なるべく早くお風呂を済ませられるように意識します」 心桜「おや? 里河さんは長風呂派ですか?」 衣夜「少し長いでしょうか? ・・・すみません」 心桜「いやいや、謝らなくてもいいですって!」 七夏「のんびりと湯船に浸かるのもいいと思います☆」 笹夜「ええ♪ 私もゆっくりと体を温めたいかしら♪」 美夜「お姉ちゃんに短風呂は無理かな・・・」 心桜「はは・・・」 随筆六 完 ------------ 随筆をお読みくださり、ありがとうございました! 今後とも、どうぞよろしくお願い申しあげます!
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