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 すると、そこはまた会社だった。また、なにか思い出したのか。社内は俺一人だけで目の前のパソコンには社員が提出したであろう資料が映し出されている。残業の真っ最中だったのか、たぶんあのデブのせいでな。俺はパソコンを閉じ、ため息をつきながら荷物を持ちロッカーに向かう。さっきの記憶は屋上で今度は会社・・・・・・帰るときに手紙を見つけたってことか。ロッカーのドアを開けると、その揺れで入っていたものが落ちた。下を見ると空のタッパがあった。よく見ると蓋に紙が1枚貼り付いている。タッパを拾い、紙を剥がすと短い文章が書かれていた。  いさむ先輩へ  あなたに伝えたいことがあります。  屋上で待ってます。            楯山優子より  楯山優子(たてやま ゆうこ)、といえば薄化粧に新入社員のような黒いスーツ。地味だし突拍子もないことするけど、一生懸命だったな。なら、彼女が俺を突き落としたっていうのか。突然、襲った不安からロッカーの端にあるゴミ箱に捨てようとする。しかし、黄色い便箋と丸みを帯びた文字が躊躇をさせた。そんなことする奴じゃないと、心のどこかで思っていた。なぜ、そんな風に考えてしまうのか自問自答していると、タッパが目につく。僅かに汁が入っていた。俺は蓋を開け、匂いを嗅ぐ。先ほど、紙からしたものと同じ煮物の匂いだった。
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