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「でもきっと、
……仕事だけで一緒にいても、また好きになる。
だけど、恋愛感情だけじゃ、
いつか…………一緒に、いられなくなりそうで」
これからも、二人で穏やかな時ばかりを過ごせるわけではないだろう。
もしかしたらお互いのことなんか忘れて過ごした方が、僕たちは今より幸せに過ごせるのかもしれない。
「それでも本当に、一緒にいて、いいのか。
いいのか、僕で」
閑が立ち上がって、痛いほど僕を抱きしめる。
「隼人じゃなきゃ嫌だ」
僕はきつく、閑を抱き返した。
「閑、絶対に僕は、この店のメートルでいるから、だから」
いつか離れてしまうかもしれない。
僕らはいつもその不安を抱えている。
「ずっと一緒にいよう。
ずっと、このレストランをやっていこう」
だから、それが無くても一緒にいられると思える日がくるまでの、僕と閑の新しい約束だった。
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