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ついにやってきた当日、僕は緊張とともに、嬉しい思いで予約リストを眺めていた。
新規のお客様が多く、特にスイーツコースはそれが顕著だった。
ディナーの方はリピート客もいて、先日名刺を下さった椚木様に、予約をいただいた。
緊張する。
不安になる。
厨房の料理をおいしいまま届けられるだろうか、お客様にとっていいタイミングで手渡すことができるだろうか。
トッ、トッ、と速くなっていく脈拍は、不安以外の感情も僕に気づかせる。
期待と、喜びだ。
この仕事をやり遂げたときの充足と感動を、僕は知っている。
時間を確認する、もうすぐ、ランチの営業時間が始まる。
厨房は既に仕込みの仕事を始めている。
「これから開店です、よろしくお願いします」
「ウィ」
厨房の空気が引き締まる。
入り口に向かうと、閑と目が合う。
僕は頷いた。
ただ、ここでの仕事を、全力でやる。
もうそれだけでいい。
自分がサービスの仕事から離れてこなかったことに気づいたとき、きっと腹が決まったのだ。
――やり抜こう。
今日は忙しくなる。
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