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いいんだ。それで
答えはなくてもいい。
正解なんて誰にも分からない。
自分の道は、自分で決めるから意味がある
間違ってても、
これが僕が選んだ人生だ。
打算でしか無かった。
車に轢かれそうになった子供を見つけた時
今しかないと思った。
僕は
僕のために
僕のためだけに道を選べない
でも
誰かを助けられるかもしれないなら
そう思えば
死ぬための、勇気を得た。
聞こえたのは
車のブレーキ音と転んで道路に放置された子供の泣き声。
それを耳にした時、なぜだかほっとした。
ちょっと、口元が緩んで
きっと微笑んだと思う。
ようやく、楽になれる。
やっと、この世界の向こう側へ行ける。
あの子が助かるように
精一杯走って
泣き叫ぶ小さな子を、力の限り両手で突き飛ばした。
最後に見た景色は
眩しいくらいに
太陽に照らされた真っ白な車が
一直線に僕に向かってきたこと。
その後の事は、分からない。
でも、きっと
僕の願いは叶っただろう。
正しい答えなど、導かなくていい。
間違っててもいい。
僕の苦しみは、ぼくのものだ。
誰にも分かってもらえなくていい。
最後に
僕の意志で選んだのだ。
それだけが真実である。
END
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