SCENE 11 路地

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 「オラッ! さっき私をレイプするって言った奴はどいつだ?」  叫びとともに、ラズは目の前の男の顎を蹴り上げる。回転しながら別の男の横っ面にも蹴りを浴びせ、銃を構えようとした男にも更に後ろ回し蹴り――。  僅かの間に片足だけで大の男3人を叩きのめした。  「へっ! この程度じゃ、全然気持ちよくイケねえぜ」  倒れた男達を見下ろしながらニヤリとするラズ。  離れた場所で銃を構えようとする他の荒くれ3人。  だがラズの早撃ちは彼等の動きがスローモーションに感じられるほどで、あっという間に銃弾がそれぞれの急所にめり込んだ。  残った連中が、瞬時に命を失った3つの死体を見て怯える。だがその者達も、すぐに同様に死体となった。ダイゴの小銃から放たれた弾丸が、彼等の身体を何発も貫いたのだ。  終わった……。  恐らく20人程度いたはずの荒くれ達が、あっという間にラズとダイゴによって全滅させられた。  あの2人、やっぱりすごい……。  溜息をつきながらビルを出るマサヤ。死体の山を子供に見せるのもどうかと思いイーゴリを抱いたままだったが、彼はその状態を嫌ったのか自ら降りた。表情は変わらない。感情をなくしてしまったかのようだ。まだ10歳の子供だというのに……。  ラズに蹴り倒された3人が、呻きながら身体を起こす。だが、まわりの状況を見て息を呑み、ラズから遠ざかろうとした。  後ろから来たダイゴが立ちふさがる。  「お、お前ら、バケモンか?」  「イカれてやがる、こいつら……」  怯えながらも二人を睨む男達。   「私にそういう言葉吐いて、今生きてるヤツはいないんけど?」  小首を傾げながら笑うラズ。だが、目は鋭く光っている。  男達は竦み上がり「ま、待ってくれ……」と首を振る。  「さて……」ダイゴが3人を見下ろしながら言う。「ダンスパーティもそろそろ終盤だ。チークタイムとしよう。OK?」  「な、なんだと?」  顔を見合わせ、戸惑う3人の男達。
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