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「オラッ! さっき私をレイプするって言った奴はどいつだ?」
叫びとともに、ラズは目の前の男の顎を蹴り上げる。回転しながら別の男の横っ面にも蹴りを浴びせ、銃を構えようとした男にも更に後ろ回し蹴り――。
僅かの間に片足だけで大の男3人を叩きのめした。
「へっ! この程度じゃ、全然気持ちよくイケねえぜ」
倒れた男達を見下ろしながらニヤリとするラズ。
離れた場所で銃を構えようとする他の荒くれ3人。
だがラズの早撃ちは彼等の動きがスローモーションに感じられるほどで、あっという間に銃弾がそれぞれの急所にめり込んだ。
残った連中が、瞬時に命を失った3つの死体を見て怯える。だがその者達も、すぐに同様に死体となった。ダイゴの小銃から放たれた弾丸が、彼等の身体を何発も貫いたのだ。
終わった……。
恐らく20人程度いたはずの荒くれ達が、あっという間にラズとダイゴによって全滅させられた。
あの2人、やっぱりすごい……。
溜息をつきながらビルを出るマサヤ。死体の山を子供に見せるのもどうかと思いイーゴリを抱いたままだったが、彼はその状態を嫌ったのか自ら降りた。表情は変わらない。感情をなくしてしまったかのようだ。まだ10歳の子供だというのに……。
ラズに蹴り倒された3人が、呻きながら身体を起こす。だが、まわりの状況を見て息を呑み、ラズから遠ざかろうとした。
後ろから来たダイゴが立ちふさがる。
「お、お前ら、バケモンか?」
「イカれてやがる、こいつら……」
怯えながらも二人を睨む男達。
「私にそういう言葉吐いて、今生きてるヤツはいないんけど?」
小首を傾げながら笑うラズ。だが、目は鋭く光っている。
男達は竦み上がり「ま、待ってくれ……」と首を振る。
「さて……」ダイゴが3人を見下ろしながら言う。「ダンスパーティもそろそろ終盤だ。チークタイムとしよう。OK?」
「な、なんだと?」
顔を見合わせ、戸惑う3人の男達。
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