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「ああ」と男が続ける。「だが、ロシアン・マフィアの中でも、協議会を嫌って、脱会を望んでいるグループがある。そのあたりだろう」
「お前らは、そこの波止場に今夜ロシアの親子が着くって、あらかじめ聞かされてたのか?」
「それは、そういう情報を掴んできた奴がいたんだよ、俺らの仲間に。だから、ネオ・ジェロン社の奴にも伝えた。だが、他のグループには漏らすな、っていっておいたらしい。賞金はうちの連中だけでいただきたかったんだろうさ。今となっては大きな間違いだったとわかるが……」
「全くだ。お前らだけで私らをどうにかできると思ったのかよ?」
ラズが鼻で嗤う。
「さっきのドローンは、ネオ・ジェロン社製なんだな?」
ダイゴが質問を続けた。
「知らないって、そんな事までは。多分そうなんだろうぜ」
「おそらく、ネオ・ジェロン社の裏部隊も動いてる。本当はそいつらだけでやりたかったんだろうが、世界公園の中でそんなことしたらネオ・ジェロン社と他の犯罪集団とでゴタゴタも起こるだろうから、表向きこの地域の悪党どもを動かした。マフィアの中にも、ネオ・ジェロン社のお客さんはたくさんいるだろうからな」
ダイゴが思案しながら言った。ネオ・ジェロン社には、武器や兵器を製造し販売する部門の他に、それらを駆使して傭兵のように暗躍するグループも存在するという噂があった。ダイゴは、さっきのドローンを操作していたのがその一部隊だと感じたのだろう。
「も、もういいだろう? 俺達が知っているのはそこまでだ。話したんだから、見逃してくれるんだろう?」
3人が伺うようにダイゴとラズを見る。
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