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星の降る夜
その夜、空には満天のお星さま。
それでも僕の心は晴れなくて、キラキラきらめくお星さまたちに語りかけました。
お星さまお星さま、僕の大好きなあの娘が最近元気がないのです。ちょっと相談にのっていただけませんか?
『相談ですか? 何ですか? いいですよ、相談のりますよ』
お星さまが返事しました。
僕の大好きなあの娘が、最近ぜんぜん元気がないのです。以前はいっつもニコニコ笑って大きな声で楽しそうにお歌を歌っていたのに、最近は毎日泣いてばかりいるのです。
僕は元気なあの娘が大好きで、みんながあの娘を大好きで、だからみんながあの娘のことを、とってもとっても心配しています。
早く元気になってほしいなあ、素敵なお歌を歌うのに……
『うんうん、なるほどなるほど。どれどれどの娘? あーあの娘! いっつもぼくらを見上げてニコニコ笑ってくれてたあの娘だ! 最近お顔を見ないから、ぼくも心配してたんだ……』
そうなんです、あの娘はお星さまが大好きで、元気な頃は星空を見上げていっつもニコニコ笑っていたんです。
そこでお星さまにお願いです。お星さまたちの力で、どうにかしてあの娘を元気にしてあげることはできないでしょうか? どうかよろしくお願いします。
お星さまは、う~ん…… とちょっとの間考え込みましたが、やがてひざをポンと打って立ち上がりました。
『……よし、わかった! あの娘に元気がないのなら、ぼくらが元気にしてあげよう! ほんとはこういうことしちゃダメなんだが、あの娘が泣いているのなら、ぼくらが笑顔にしてあげよう! それっ! 皆の衆!!』
星の王さまの一声で、幾千幾万の満天のお星さまたちは、いっせいに夜空をぐるぐると駆け回り始めました。
ぐるぐるぐるぐるぐるぐる駆けめぐりながら、やがてお星さまたちは流れ星となって続々と地上に降りそそいでいきます。
その夜、ぼう大な数のお星さまが地上に舞い降りてきました。
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