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メグ 自己紹介
入学式のあとは、各々がそれぞれのクラスに分かれて教室内では自己紹介が始まった。
卯原の所属する1年3組は旧校舎の2階に位置する。
「私は卯原恵 う・は・ら・め・ぐ・み。今からは 『メグ』って呼び捨てで結構でーす!自宅はこの学校のすぐ近くの処女塚(おとめづか)でーす!1700年間みなさん処女塚を大事にしてくれてありがとうね!心からお礼を言います!今回はみなさんに磁場工学について教えに来ました !」
ロングヘヤーに、まるでアニメから出てきたような可愛いらしい顔立ちで、しかもスタイル抜群のメグが屈託のない表情で明るく宣言した。
何を食べればこんなに大きくなるのかというほどの胸の上には小さな緑色の勾玉の首飾りがぶら下がっている。
教室内の全員が卯原の言った内容に理解できずにポカンとしている。
おもわず担任の大野先生がメグに聞いた。
大野は見た感じはおとなしそうなタイプであるが、相当な「空手の達人」だそうで、先輩たちの言い伝えによると激怒したのちに手刀で教卓を叩き割ったというたいそうな武勇伝があるが、一見して小柄な彼の姿からは真偽のほどはわからない。
「何だ、卯原。その磁場工学ってのは?それよりそもそも学校とは学ぶところであって、決しておまえが教えるところではないぞ。それと『1700年間ありがとう!』も意味がわからんなー、お前大丈夫かここ?」頭を指差す。
「どっ」
とクラス中に笑い声が起こった。
「まあ、いいからいいから!とにかくみんなよろしくね!」
両手でみんなを制した後、メグが着席した。
胸にきらきら輝く勾玉がクラス全員の印象に残った。
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