ペーパー エフェクト ─ちりしくん編─

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な、、、、 なんだって! 「外へ出てるなら買い物は問題ないじゃないですかっ」 あんまり騒いだせいか、巻神は立ち止まって振り向いた。 「だから言っただろ? 『行けない』のではなく、『行かない』だけだと」 「だけど黒八木さんは、、、」 「俺が飯もロクに食わず仕事ばかりしてるとでも言ったか? ま、確かにそれは概ね当たってる。 だが、黒八木のおかげで運良くハウスキーパーと婚約者を得た。しばらくは安泰だ」 「巻神さん、やっぱりよしましょう。 たとえ嘘でも あなたと婚約なんて」 偏見はないけど、己の身では考えられない。 「巻神ってのやめて下の名前で呼べよ。 職を失いたくないんだろ?」 暗に受ける牽制。 「、、、、」 「有芯(ゆうしん)だ。言ってみろ」 ダチならまだしも、 「、、、無理です、俺には。神巻さん」 婚約なんて関係を意識しながら名前なんて呼べないだろ。 熱を帯びた向かい風が 巻神の香りを含んで俺の鼻を撫で、 形のない何かを残して過ぎてゆく。

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