商売上手な靴磨きさん

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東京の会社員である高橋さんは、商用で、大阪へ出張しました。大阪駅で、時間があったので、靴を磨いてもらうことにしました。駅の外には、 5人の靴磨きさんが、並んで、お客さんを待っていました。彼が、どの靴磨きさんにしようかなと迷っていると、一人が、彼に、微笑みかけました。それで、すぐに、その人に決めました。その靴磨きさんは、50代で 太っていました。高橋さんは、彼のところに行きました。最初、その靴磨きさんは、高橋さんの靴を褒めました。「素晴らしい靴を磨いていますね」高級品です。趣味がいいですよ。」彼は、靴を磨く前に、かかとを調べました。そして、「これはいい靴ですが、かかとがすり減っていますね。」お取替えしましょうか」と言いました。高橋さんは、かかとを見ました。かかとは、相当、すり減っていたので、取り替えてもらうことにしました。それから、その靴磨きさんが、言うには、「この靴ひも、品質は、いいけど、ところどころ、ほころび始めていますね。取り替えてもいいですか」高橋さんが、靴ひもを見ると、やはり、その通りでした。彼は 「取り替えて下さい」と言いました。それから、靴磨きのおじさんは、 靴の中を見ました。「靴の敷き皮も擦り切れていますね。今、取り替えると、もっと長持ちしますし、履き心地もよくなりますよ。この靴は、とても作りが良いので、敷き皮を交換した方が、いいですよ。」と言いました。高橋さんは、敷き皮を見て、交換してもらうことにしました。靴磨きのおじさんは、熱心に磨き、高橋さんと楽しそうに、会話をしました。 おじさんは、靴とそれを選んだ高橋さんの趣味を褒めました。高橋さんは、おじさんが、とても、上手に要領よく磨いているなと思いました。 靴を磨き終わると、高橋さんは喜んで、お金を払いました。おじさんは、 とてもよくやってくれました。商売が上手かどうかは、お客さんが、 気持ちよくお金を払う気になるかどうかで、決まると高橋さんは思いました。もちろん、おじさんは、お世辞を言ったのですが、鋭い観察眼も持ち 、高橋さんの靴のどこを、どうすれば、良いかをしっかり見極めていたのです。そして、気持ちよく、仕事をしてくれました。商売をする人は、お客さんに、気持ち良く、お金を払ってもらうようにしなければ、ならない と、つくづく思いました。
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