ハシビロコウをかぶる

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 思いがけず、はっちゃん愛を語ったあげく絵本の紹介までしてしまった。  はっちゃんについて書いたあたりで気が付いたが、アニメなどでも私は必死にがんばるおじさんヒーローを応援したくなってしまう傾向にある。  そのアニメについて語りだすとまた話しが逸れてしまうので今回は省略するが、おそらく今の自分も似たような境遇を持っているからかもしれない。  どう頑張っても若さという強力な武器には老いは勝てない。  体力や容姿については努力と金さえあればある程度は何とかなるものだが、年齢は良くも悪くも重ねてきた時間である。  これはどう頑張っても戻すことはできない。  ある人の受け売りだが、牛乳などを買うとき同じ値段ならできるだけ賞味期限が先のものを買う人は多い。  もちろんそんなの気にせず手前のものから買っちまうぜ!などと言うワイルドな人もいないわけではないだろうが、少人数なのは確かだろう。  人だって同じである。  未経験のままある程度歳を重ねてしまった人よりは、若くてこれから才能を伸ばせる人を育てたいと思う人が多い。  私はそんな理由でふるい落とされることが多い。  今更才能を伸ばすにしても短い時間でやらなくてはならないのは確かなのだ。  それでも頑張るはっちゃんのようなおじさんヒーローは、私にとって憧れでもあるのだ。  話をまとめよう。  この私、兎の中の人がハシビロコウをかぶる理由。  それは、ハシビロコウのはっちゃんのようなヒーローになりたいからなのかもしれない。
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