僕、そして

先輩

大学には、２年生が1年生の相談相手になる｢相談ポスト｣があった。匿名で書いて入れると先輩の誰かが答えてくれる。
今どき手書きなのが面白くて、利用者はほどほどあった。
｢彼女が欲しい!!｣
｢お薦めのサークルはどこ？｣
｢入学したらやる気が失くなってしまった。どうすればいい？｣
｢先輩って怖い？｣
突っ込みどころ一杯の、半分は冷やかし、半分は本気ってことだろうか。

ファミレスの先輩は偶然なんだが、僕の出身中学に3年までいて、高校からは都内だったんだよ。びっくりしたぁ。
ある日、先輩は家に招待してくれた。｢ちゃんと食べてるのか｣って心配してくれて夕飯を食べさせてくれたんだ。たまにおごってくれるし、面倒見がいいし、バイトもできる頼もしい先輩。縁ってありがたいよ。
一応、ご飯と味噌汁の作り方はきみちゃんから教えてもらったから、何とかできるようにはなってるよ。
先輩のお母さんは、どことなくお節介な母と似てる。先輩からいきなり弁当箱を渡された時は驚いたよ。翌日のおかずにさせてもらった。だから、きみちゃんの干し芋とか野菜を持って行って夕飯を食べさせてもらったこともある。いつもよりちょっとだけでっかい顔してね。
苦手な英語も教えてもらった。英語教師を目指してたから｢ちょうど良いんだから気にするな｣って笑ってた。
今年卒業だけど、きっと良い先生になると思ってます。とりあえず、それまでよろしく!