帰省

1/2
前へ
/6ページ
次へ

帰省

そんな出会い?縁?を楽しみながらいると、アッという間に1年がたった。 初めての帰省はGWに1泊2日。母もきみちゃんも大喜びだった。 「痩せるかと思ったけど痩せてなくて良かったよ」 「ちゃんと食べてるみたいだね」 とりあえず、心配は減ったようだ。 その次は夏休みの8月。免許取得のため。あの先輩は「自分の時も行かせてもらったから行ってこいよ。慣れるためにも早い方が良いぞ。取っとけ!取っとけ!」 甘えさせてもらった。 次は、正月2日に0泊3日の強行だった。往復の深夜バスは家族を呆れさせ、特にきみちゃんを心配させてしまった。 「いくら若いからって駄目だよ」 謝りながら僕は約束した。 「次はゆっくりするからね。春休みだから待っててよ」 入試の頃、先輩を含む卒業生の多くは卒業旅行。ヨーロッパやアメリカ、沖縄や北海道とあちこちいろいろだった。あの先輩はヨーロッパだった。英語はもちろん、イタリア語もできるって、語学が苦手な僕からしたら尊敬+驚異=神だよ。 帰国後、お土産をもらったのは名刺。わかるかい?無理言って行ってもらった。当日はLINEで写真も送ってもらえた。シャーロキアンと読んでくれたまえ(笑) イタリアの調味料セット。それを使ってパスタパーティーをした。先輩の彼女と僕の彼女とね。僕にも半年前にできたんだよ。 春休みに入って約束通り帰省した。約束は守らなきゃね。きみちゃんも家族も喜んでくれた。妹は土産の限定品を楽しみにしていたんだけと、まぁ良いか。名刺を見せびらかしたけどね。妹も好きなんだよ。 バイトがあるんで2週間後には帰るから友だちに会ったり、遊んだりもした。きみちゃんともオセロした。案外、強いんだよなぁ。僕もちょっと気を使ったけどね。だってさ、僕に勝つとすごく嬉しそうな顔するんだ。 次に来るまでにピアノを弾くって。童謡だって言ってたけど、何かなぁ。楽しみに待つことにするよ。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加