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題:11
「3人グループ一つぅ?じゃあ確定じゃねーか。さ、行こうぜ!」
「何処行くー?」
「やっぱあそこじゃね?学校と言えば定番っしょ!」
不良共は話し合う間もなくさっさとドアから出ていってしまった。
「横暴だね。止めないけど。」
エイルはソファに座ったまま閉じたドアを一瞥した。彼らは協力する気ナシという訳だ。
「俺が連れ戻してきますよ!」
「キュウ兄ちゃん、やめた方がいいよ。きっと良くない事が起こるから。」
意外にもキュウを止めたのはアイだった。彼女にも彼らの死線が読めたのか、はたまた能力か。
「それじゃ、ペアを決めよう。僕はここでこの女性を見守るよ。ケイとシーナはペアだとして、あと8人。」
隣を見るとキュウと目が合った。
「待て。そのペアは駄目だ。頼りになる男二人で組むな。どうせなら…ヤジルシさんはキュウと、クチナシ君はイーと組むといいんじゃないか?」
キュウがヤジルシの方を見るとヤジルシはニッコリと微笑んだ。
「観点は2つ。怪しくない・ガタイが良くないからいざとなったら押し倒せるという2つだ。」
「なんか小馬鹿にされてるような…」
「…同感だ。ならば私はタケシくんと組んで行くが、何か収穫があればここに戻ってくるよ。」
「テイさんが居れば謎解きは大丈夫だな!頼もしいぜ!」
テイとタケシは勇ましく出て行った。
「じゃあ、私達も行きましょうかアイちゃん。何かあれば私が守るから。」
「うん。マドカさん、行こ!」
次いでマドカとアイも出て行く。
「わ、私達も行かなきゃ…」
「ケイ、焦らなくても鍵は逃げたりしないよ!のんびり行こう!」
シーナはケイの手を引いて出て行った。
「よし、行こうかキュウ君。学校の秘密を解き明かしに!」
「は、はいッス!」
陽気なヤジルシに連れられて緊張した状態のキュウが出て行く。あんなキュウは見た事がない。
「ね?面白いの見れたでしょ?」
エイルは悪戯っぽく笑った。
「確かに。僕らも行かないとな。」
「イイさんと一緒に探検だね!ふふ、ケリーも喜んでる!」
クチナシがドアを開けて出て行く。僕もそれに続こうとしたその時、エイルに呼び止められて振り向いた。
「」
「…っ!」
振り返った僕にエイルは無音でこう言った。
『また嘘を吐いたんだね』
「イイさん、早く行こーよー!」
「今行くよ…!」
逃げるようにして会議室を出る。彼女は一体、何処まで僕を見抜いているんだ…?
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