題:5

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題:5

「開いたね。ありがとうみんな、ちょっとスッキリしたよ。」 エイルはガラスの扉を開けた。反対側の部屋でも扉が開いたようで、ケイと同じような背の少女が橋をこちらに向かって走ってきていた。 「ケイー!!」 「椎那!」 ケイと少女は互いの体を抱きしめる。無事に再会を果たせたらしい。本意じゃないが。 他の人々も橋を渡り、こちらの部屋に入ってきている。長身の男が僕の目の前で立ち止まった。 「先程はありがとう。君が気付かなければ我々は灼熱の海に沈んでいただろう。」 帽子で隠れて素顔はよく見えない。だが、肩に置かれた手から僕に伝わってきたことが一つ。この男も、信用ならない。エイルとは違う意味でだ。 「どういたしまして。助けられて良かったです。」 取り敢えずの返答はしたが、僕は覚えた違和感が拭えなかった。 気付けば向こうの部屋に居た人々は全員こちらの部屋に移って来ていた。 ケイの知り合いの活発そうな女の子、ガタイの良い男、長身に帽子目深の男、ネズミを連れた銀髪の青年、書士らしい女性、OL、OLに抱えられた小さな女の子。 実に多種多様だが、何かがおかしい。 ピンポンパンポーン! [仕掛けの発見・起動おめでとう。まさかあの状況から仕掛けを見つけるとは…。これより人の少ない方の部屋が沈められる。もう片方の部屋は沈まないから安心したまえ。] 参加者は僕を除いて15人。先に出て行った3人を除いて12人。しかし、この部屋には11人しかいない。それに、義父さんは今、“誰も居ない部屋”とは言わなかった! 示すところはつまり… 「…まだあの部屋には一人残っているのか。」 [装置は起動した。じきに部屋の下降が始まるだろう。]
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