01:南の島から【お獅子の流儀はワールドスタンダード】

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 犠牲に見合わない「成果」しか上げられず、その責任を負って超自然災害対策隊(そしき)を抜けた俺――は、 一応は故郷(じもと)の日本を離れて南の島――風の、獣神の神域(しま)で生活している。 …本当は、愛妹の後を追って最強悪(とわ)の魔女の元へ――欧州へ渡りたかった。 だがそれを、俺が契約する獣神――金獅子ノ神が却下した。  今のお前はアイツの「(ため)」にならん――と、金獅子ノ神(ゆえ)は言う。 正直、その真意は汲み取れない――が、その言い分は正しいんだろうとは思っている。 あの失態が、澪理(アイツ)だけの原因(もんだい)――ではない以上、大なり小なり俺にも落ち度はあったはず。 …ただ、その落ち度(ポカ)というのに、まったく見当がつかないんだが……。 「(…早い話、それが欠点(おちど)――か…)」
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