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あおぞら
次の日また茜から電話が来た
「彩花…?」
「どうしたの?」
「…来て…いつもの場所に、」
そう言う茜の声はどこか震えていた
荷物をしてサンダルで急いで秘密基地へと向かった。
案の定そこに茜はいた。
そして一人で泣いていた。
「茜……?」
「あや、か……」
泣きながら私の名前を呼ぶと抱きついてきた。
「彩花は私から離れないでっ、お願いっ」
「落ち着いて…?私はそばにいるから」
優しく背中を撫でると茜は落ち着いたようで
息を整え話してくれた。
「新しいお母さんね、気に入らないことがあるとすぐ殴るの…。お父さんも、お酒飲むようになって…それで、それで……」
「そっか、辛かったね。…話してくれてありがとう」
優しく言葉をかけ抱きしめる。
また茜は私の腕の中で泣いた。
辛いことを全てを吐き捨てるかのように。
しばらくして、茜は泣き止むと「帰らなきゃ」と言って苦しそうな笑みを浮かべた。
その顔を見ると苦しくなって自転車を乗ろうとする茜の手を掴む。
「泊まりなよ…家に」
「え?」
「今日は私の家に泊まって。」
「い、いいの?」
「大丈夫だよ。ほら、行こう?」
そうして茜を家に招き入れた。
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