想う

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〈茜〉 キスまでして、さらに告白だなんて…順序がおかしいのは分かっていたが気持ちを抑えられなかったのだ。 …彩花には悪いと思っている。 勝手に約束を破って、勝手に変わって、勝手に泣かせて……彩花には謝っても謝りきれない。 私は昨日のことでしばらく学校を休むことにした。 「あーあ、嫌われちゃったかな」 なんて呟いて、彩花とのトーク履歴を見返す。 面白い冗談や、先生の話、学校の恋愛事情の話など、どれもこれも文字だけなのに楽しそうな会話ばかりだった。 「…今更冗談だ、なんて言っても信じて貰えないかなぁ」 一人で苦笑いをしながら呟く。 茶色い髪を指で弄ぶ。次は穴の空いた耳たぶを。 これが…これがいけないんだ。 はぁ、と溜息をつき立ち上がる。 「今の私じゃダメなら…」
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